蒸気部門
「つくり方にもこだわり、効率よく蒸気を供給する」
食品工場にとって欠かせないエネルギー「蒸気」。
その製造は、設備や規模のほか排気や水質管理などの面から、一企業でまかなうには負担が大きいと言われています。
そこで当社では、工業団地内全体で使用する蒸気を一括してつくり出し、コストパフォーマンスをアップ。
各工場とパイプラインで直結し、24時間いつでもムダなく使用できる環境を整えています。
また、用途に窮する「建築廃材」を燃料とした「木屑焚きボイラー」を早くから取り入れて、資源を有効活用したエネルギーづくりを推進。
油焚きボイラーにおいても、排ガスのきれいな白灯油を使用し、環境問題を意識した取り組みを行っています。
主要設備紹介
バグフィルター
含じんガスを内部のろ布に通して、粒子を分離捕集する装置です。
熱処理設備
被処理物に添加剤を加え、乾留(蒸し焼き)することにより、ダイオキシン類の発生を抑制するための設備です。
アキュムレータ
木屑焚きボイラーから取り出した過熱蒸気をスクリュ式小型蒸気発電機(MSEG)に適した温度(飽和蒸気)にする装置です。
主要設備概要
灯油焚きボイラー | 2基 過熱器付き 【最高使用圧力】1.57MPa 【蒸発能力】40T/H、20T/H 【蒸気温度】230℃ |
木屑焚きボイラー | 1基 過熱器付き 【最高使用圧力】1.6MPa 【蒸発能力】25T/H 【蒸気温度】230℃ |
エコノマイザー | 3基 各ボイラー毎 【伝熱面積】178.6m2、63.1m2、189m2 |
マルチサイクロン | 1基 木屑焚きボイラー用 【処理ガス量】1,090m3/MIN |
バグフィルター | 1基 木屑焚きボイラー用 パルス逆洗式 【処理ガス量】1,350m3/MIN |
熱処理設備 | 1基 熱処理炉 熱風炉等一式 加熱分解炉方式 【処理能力】75kg/H |
脱気器 | 1基 【処理能力】90T/Hx0.5PPm以下 |
鋼板製煙突 | 1基 SUS内筒付き 55mx1.9φm |
灯油タンク | 2基 【貯油能力】631kLx2 |
木屑サイロ | 1基 【容量】600m3 |
アキュムレータ |
1基 |
用水部門
「食品製造にふさわしい、安心の水をつくり出す」
人が口にするモノをつくり出す食品工場だけに、一般的な工業用水レベルではなく、「食品を洗浄できる」安全性の高い水が要求されます。
そこで、当社では万全の滅菌処理設備とともに、より厳しい定期的な水質検査やコンピュータによる管理システムのもと、安全な水の維持に、管理にチカラを注いでいます。
また、水も限りある資源の一つと考え、ムダのない効率的な活用を推進。それが、ユーザー各社の求めるコスト面の充実につながると同時に、環境保全という役割も意識しています。
安全できれいな水をつくり、送り出し、そして見張る・・・。
いわば「小さな水道局」のような働きを担っているのです。
主要設備紹介
砂ろ過器
装置内部に充填された砂で原水中の懸濁物を除去する装置です。
ろ過前に凝集剤(PAC)を注入し微細な懸濁物を凝集し、除去効率を高めています。
ろ過層に溜まった懸濁物は、通常の流れとは逆に通水し、ろ過層を洗浄して取り除いています。(逆洗)
軟化器
原水中の硬度成分を除去する装置です。
装置内部に陽イオン交換樹脂を充填し、原水中の硬度成分を除去します。
定期的に食塩水を装置内に通水し樹脂の再生を行います。
主要設備概要
工水供給能力 | 1,300m3/日 |
滅菌水供給能力 | 3,600m3/日 |
軟水供給能力 | 1,800m3/日 |
消火用水供給能力 | 300m3/H |
副受水槽 | 2槽 【貯水能力】100m3 【C】100m3 |
No.1原水槽 | 1槽 【貯水能力】580m3 |
No.2原水槽 | 2槽 【貯水能力】180m3 【C】200m3 |
砂ろ過器 | 3基 【通水能力】【A】100m3/H 【B】85m3/H 【C】100m3/H |
軟化器 | 1基 【通水能力】85m3/H |
活性炭ろ過器 | 3基 【通水能力】【A】100m3/H 【B】100m3/H 【C】85m3/H |
軟水タンク | 1基 【貯水能力】240m3 |
滅菌水槽 | 3槽 【貯水能力】【A】510m3/H 【B】480m3/H 【C】480m3/H |
PACタンク | 3基 【貯水能力】100L |
次亜塩素タンク | 2基 【貯水能力】2m3 |
排水部門
「自然環境とユーザーの利益を守る排水処理」
工場の排水処理には下水道排除基準があり、箱崎食品工業団地においては、福岡市との公害防止協定により、その排除基準がより高いレベルとなっています。
当社では各工場から出る排水を一手に集約し、まとめて処理することでユーザーの負担を軽減しています。
また、精密ろ過膜や逆浸透膜などの高度な技術による「排水処理再利用設備」を駆使して、純水に近い水質レベルまで浄化された水を、ボイラーの原料水としてリサイクル。
それは総排水量の抑制とともに、限りある資源の有効利用にもつながり、ユーザー各社の経費削減に貢献しています。
自然環境とユーザーの利益を守ることこそ、当社の使命なのです。
主要設備紹介
精密ろ過膜(MF)装置
排水処理された水を浄化する「排水再利用設備」の第一段階です。
目の細かい中空糸膜によって、0.2μm以上の微粒子と細菌類の99.9%を除去します。
中空糸の外側にたまる不純物は、中空糸の内側から空気を送射して洗浄。
ここで浄化された水を「逆浸透膜(RO)装置」へ送ります。
逆浸透膜(RO)装置
逆浸透膜モジュールを使った浄化装置です。
「精密ろ過膜(MF)装置」でろ過された水は紫外線による殺菌を経て「逆浸透膜(RO)装置」でさらに不純物を取り除いています。
この段階で水は「純水レベル」となり、ボイラーの原料水へと再利用されることになります。
排水設備 脱臭装置
調整槽から発生する臭気を、生物脱臭(微生物により臭気を分解・除去)と乾式脱臭(酸性・中性成分脱臭剤で臭気を除去)で脱臭無害化して大気へ放出させる装置です。
脱水機
排水処理された後に沈澱池で沈下した余剰汚泥を脱水する装置です。
濃縮(余剰)汚泥は高分子凝集剤を添加し、縦型スクリュープレス機で圧縮。
含水率の低い脱水ケーキとなり、産業廃棄物として最終処分場へ排出します。
主要設備概要
設計基準 | ■流入水: 【水量】2,500m3/日 【BOD】600mg/L 【SS】250mg/L 【pH】5.5~9.0 ■処理水 【BOD(MAX)】100mg/L 【SS(MAX)】100mg/L 【pH】5.8~8.6 |
調整槽 | 1槽 【容量】1,300m3 |
曝気槽 | 3槽 【容量】360m3 |
沈澱池 | 1槽 【容量】800m3 |
シックナー | 1槽 【容量】100m3 |
排水設備 脱臭装置 | 1基 【処理能力】20m3/min |
脱水機 | 1基 【処理能力】3.5m3/H |
ケーキホッパー | 1基 【貯蔵能力】8m3 |
脱水機 脱臭装置 | 1基 【処理能力】12m3/min |
前処理ストレーナー | 1基 【容量】100m3/H |
MF装置 | 2基 【容量】72m3/H(MF膜72本) |
UV殺菌灯 | 各1基 (流水型・浸漬型) |
RO装置 | 1基 【容量】30m3/H(RO膜54本) |
脱炭酸塔 | 1基 【送風能力】600m3/H |
MF原水槽 | 1基 【容量】60m3 |
RO原水槽 | 1槽 【容量】8m3 |
活性炭ろ過器 | 1基 【容量】30m3/H |
再生水槽 | 1槽 【容量】84m3 |
空気槽 | 1基 【容量】6m3 |
PACタンク | 1基 【容量】1m3 |
硫酸タンク | 1基 【容量】6m3 |
苛性ソーダタンク | 1基 【容量】4m3 |
主要設備紹介
電気部門
「より効率的に、より効果的に電気を使う」
膨大な電力を消費する食品工業団地だからこそ、電気料金の僅かな差も、大きなコストダウンを実現できる分野。
そこで当社では、工業団地全体で電気を一括して受ける「共同受電」を行っています。
その後、大容量の変圧器を通じて企業各社へ供給。
いわば「電気のまとめ買い」によって、少しでも安価な電気の供給を目指しているのです。
同時に正確な機械の動作に影響を及ぼさぬよう、負荷時タップ切替器付変圧器(LRT)を使用。
電圧変動の少ない「安定した電気」の維持に努めています。
さらに電力会社からの受電設備を2回線化。
配電設備をA系・B系とすることで信頼性も向上しています。
また、設備の電力をコンピュータで管理する体制も整備。
より効率よく電気を使うことでムダを省き、ひいては地球環境への負担を軽減することも私たちのテーマとなっています。
主要設備紹介
C-GIS(ガス絶縁スイッチギア)
C-GISとは、キュービクル内にSF6(六フッ化硫黄)を充填し、充電部を絶縁した装置です。
一般の受電設備に比べ安全性が向上し、非常にコンパクトで限られたスペースに設置することができます。
VCB(真空遮断器)
真空遮断器は、機器や電力系統に異常が発生した時に、継電器と組み合わせて自動的に回路を遮断し故障系統を切り離します。
SC(電力用コンデンサ)
電力用コンデンサを設置する目的は力率を改善することです。
力率を改善することで電力損失の低減と電気料金の割引のメリットがあります。
汽力発電機
未利用で放出していた蒸気のエネルギーをスクリュ式小型蒸気発電機(MSEG)にて電力に変えます。
発電した電力は所内のみで利用し、節電および、CO2削減の効果があります。
主要設備概要
変圧器 | 2台 15.0MVA、66.0±6kV-6.6kV(17TAP : 真空バルブ式) |
受電用遮断器 (真空遮断器) |
2台 72kV、800A、25kA |
主変二次用遮断器 (真空遮断器) |
4台 7.2kV、1,200A、25kA |
配電線用遮断器 (真空遮断器) |
28台 7.2kV、600A、25kA |
母線連絡用遮断器 (真空遮断器) |
2台 7.2kV、1,200A、25kA |
電力用コンデンサー | 8台 500kvar |
汽力発電機 (余剰蒸気利用) |
2台 160kW、440V |